神戸市で洋菓子店をされていた吉田様。お菓子を中心とした飲食店が出来る古民家を探されていた所、築100年以上を超える歴史ある町家物件に出会いました。お客様にゆっくりして頂きたいと言う気持ちを胸に、お屋敷カフェを経営されています。


たつの市は兵庫県の西南部の西播磨地域に位置し、町の中央を揖保川が流れています。全国一の生産量を誇る「うすくち醤油」や「揖保の糸のそうめん」は全国に知られており、童謡「赤とんぼ」の作者である三木露風の出身地でもあります。今回訪れた龍野の城下町は、白壁の土蔵や武家屋敷など風情のある家並みが今もなお残り、「播磨の小京都」とも呼ばれています。


●龍野の地域でお店しようと考えたきっかけを教えてください。
「お菓子を中心とした飲食店を前々からしたいと思っていたんですけど、龍野と言う地域には特にこだわってはいなかったんです。実際ここ以外にも何軒か見させて頂いてて、ここを初めて見た時にこの建物や庭の雰囲気だったら自分が考えている店にぴったりだなと言う事で決めました。」


●どれくらいの期間をかけて物件を探されましたか?
「インターネットとかで探してたのは1年半くらいで、いろいろ見てたんですけど、実際に物件を見て回ったりしたのは半年くらいです。」
●物件を気に入ってもらえたポイントはどこですか?
「やはりこの100年以上経っている建物ですね。造りと庭の感じもすごくよかったので気に入りました。」


●オープンまでどのぐらいの時間をかけられたんですか。苦労された事はありますか?
「だいたい2ヶ月くらいかかりました。建物が広いのでとにかく掃除が大変で、庭の手入れも慣れていない事だったので、何から何まで全部1人だったのでなかなか捗らなくて大変でした。」


●お店のこだわりやモットーを教えてください。
「来て頂いたお客様にゆっくりと過ごして頂くと言う事を心掛けています。3時間滞在される方もいらっしゃれば、30分くらいで帰られてしまう方も居て、そういう時は合わなかったのかな…?と少し心配してしまいます(笑)こだわりは特にはないんですが、とにかくゆっくりしてもらえるように床は畳で、椅子はソファにしました。」


 


●お店の名前の由来について教えてください。
「『朔(さく)』と言うのはお月さんの新月の事で『ついたち』とも読むんですけど、月が満ち欠けする始まり、最初と言う事で物事のスタートであるとかを意味します。新月は実際には目には見えないけれど、物事はもう始まっている、自分も日々新しい新鮮な気持ちをなくさないようにと言う事で付けました。」


●お店のおすすめメニューはなんですか?
「今のおすすめは麹を使ったチーズケーキです。」
●こちらでお店をするにあたって不安な事はありましたか?
「たくさんありました(笑)まず、お客さんに来てもらえるのだろうかと言うのが1番不安でした。」


 


●実際住んでみてどうですか?良かった事、困った事があれば教えてください。
「よかった事は近所の方やたくさんの方に助けて頂いている事です。例えばいちご農家の方を紹介して頂いたり、内装の物とかも近所の方に貸して頂いたりだとか花を頂いたりだとか、すごい助けて頂いて本当にありがたいです。困った事は特にありません。」


●お休みの日はどう過ごされていますか?
「仕込みをしたり、掃除をしたり、庭の手入れをしたりって言うので休みの日の半分は潰れてしまうんですけど、時間が空けば近所を散策したりもしますし、たまに山に登ったりしてます。」
●地域の良い所、おすすめスポットなどがあれば教えてください。
「こちらに来ていろいろ散策してみたんですけど、やっぱりここの魅力は町並みだと思います。細い路地を歩いてても、家々を見ていても発見があるような所なのが魅力ですね。」


●これから挑戦してみたい事、目標があれば教えてください。
「今のお客様がもっともっとゆっくり過ごして頂けるように心掛けたいです。客席数が足りなくなってしまうようであれば、2階もいずれ客席に出来たらと思ってます。上から眺める庭も、また違った雰囲気で楽しんで頂けると思いますよ。」
●最後に、こう言った町家でお店をしたいと考えている方にアドバイスをお願いします。
「やはり商売となると自分の思いやイメージがあるけれど、実際その地域や場所に属したやり方があって、どちらかを押し通すと言う訳には行かないので、そのへんを自分の中でいかに柔軟にバランスをとって、地域に合わせつつ、自分のこだわりたい所はこだわりを持ってやると言う事が大切だと思います。」


今回のレポートはスローライフの事務所からも近く、スタッフも大変お世話になっている『朔(さく)』さんへ行って参りました(^ω^*)昔ながらの町並みが残る龍野城近辺にあり、一目見ただけで歴史を感じさせる立派な日本家屋。土間玄関が迎えてくれ、店内へと入ると畳に赤と白のソファと言う、一風変わった空間が広がっております。畳の”和”とソファの”洋”が見事にマッチしていておばあちゃんの家のような懐かしさもありつつ、落ち着いた大人な雰囲気が漂っていました♪店主の吉田様は元々神戸でご兄弟で洋菓子店を経営されており、お菓子の腕は折り紙つき!麹を使ったチーズケーキやふわふわのシフォンケーキ、龍野の特産品である醤油を使った『醤油たれプリン』などなど吉田さん渾身のデザートを味わって頂けます☆お菓子だけでなく、モーニングやランチもされています(*^-゚)私も1度ランチにお邪魔しましたが、食べ応えのあるトーストプレートに珈琲・紅茶のドリンク、デザートまで付いた大満足のランチでした♪お客様は午後からのティータイム利用の方が特に多いとの事で、だいたい1時間くらい滞在される方が多いそうです。長い方だと3時間くらい居られるのだとか♪趣きある和風庭園を眺めたり、縁側からの光や清々しい風を感じていると、時間を忘れてついつい長居してしまう気持ちがすごく分かります(*^^*)吉田さんとしてもゆったり過ごしてもらえて嬉しいとの事ですよ♪是非『朔』さんへ行って癒されてくださいね☆吉田様、お忙しい中、気さくに取材に対応していただき、ありがとうございました!!

『菓子と珈琲 朔(さく)』さん(←クリックするとFacebookへ飛びます♪)

兵庫県たつの市龍野町川原町106
TEL:0791-72-8839
営業時間:9:00~19:00(ラストオーダー18:00)  定休日:毎週木曜

取材日*2014.5.1