「定年後は長いのに年金は当てに出来ない。まだ働けるのにこのままでは何も出来ない。」と早期退職を選択し、好きだった国ドイツに渡りソーセージ作りの修業をされた原田様。新鮮なお肉が手に入る地で本場の味を伝える『手造りハム工房』をオープンされ、いきいきと第二の人生を楽しまれています。


ひまわり畑やB級グルメなどで有名な佐用郡佐用町。棚田の風景や名水百選にも選ばれている千種川など風光明媚な景色を楽しめる自然豊かな町です。特産品には、粒が大きく、食感はもちもちとしていて甘みやこくが魅力の『佐用もち大豆』やひまわりの種子から搾油・精製した『ひまわり油』などがあります。


●物件を探し始めたきっかけを教えてください。
定年後、どのように生きていくかをずっと考えていたんです。働くことが出来るうちは働いていたいなと。研究職だったので、何か手に職をつけた方がいいと考え、昔に趣味で燻製を作っていたことやドイツが好きだったことから、ソーセージ作りの修業に行き資格を取りました。
田舎で探していたというよりは阪神地域より西側でお店のできる物件を探していました。



●どれくらいの期間をかけて物件を探されましたか?
私がドイツで修業している時から妻が探してくれていたので、1年近くかな。
●物件を気に入ってもらえたポイントはどこですか?
大きな道沿いだったこと、工房とお店に使うのにちょうどいい大きさの車庫が付いていたこと、生活施設が近く便利だったことです。
妻は免許を持っていないので便利な場所なのはすごくよかったです。



●お家はリフォームされましたか?
母屋は雨漏りのあった箇所とキッチン・お手洗い・洗面所をリフォームしました。
工房は、装置を入れる必要があったので、使いやすく少しでも広く感じられるように模型のようなものを作って相談しながら作り上げました。

●移住するにあたって不安や心配はありましたか?
お金がどれくらいかかるか分からないというのが心配でした。
お家はどこをどれくらい直さないといけないのか費用がどれくらいかかるのか、お店の費用もいるからその辺が不安でしたね。



 


●住んでみて良かったことはありますか?
みなさんいい人!自治会長さんと副会長さんが移住した日に来てくださり、色々と教えてくださったのはとても嬉しかったです。
ご近所の方もお野菜をくださったり、仲良くしていただいています!

●逆に、住んでみて困ったことはありますか?
神社を地域で管理したり村の掃除があったりと、今まで住んでいたところではなかったので道具を持っていなかったりして最初は少し戸惑いましたね。
まだまだ分からないことばかりですが、参加はしています。



●お店のこだわりやモットーがあればおしえてください!
出来るだけ新鮮なお肉を使い、出来るだけ添加物を少なくすることがモットーです。
こだわるお客様は少ないですが、ハムやベーコンは無塩せき(発色剤不使用)で作っています。亜硝酸ナトリウムは細菌の繁殖を抑える働きと発色作用があるので、種類によっては使わないといけないものもあるんですけどね。



●お店の名前(デア・シュタインボック)の由来は?
ドイツ語で山羊座という意味なんです。妻の星座が山羊座なので(*^_^*)
店に飾っているヤギの写真は店名にちなんでお客様がプレゼントしてくれたんです。

●どのような商品がありますか?
ハムとソーセージがほとんどですね。最近は新しくジャーキーも作り始めました。豚を半身で買ってくるとフィレ肉の部分が余ってしまうので活用するために作り始めたのですが、思いのほか人気が出たので別でフィレ肉を買って作ることもあるんです(笑)


●お客様は町内の方が多いですか?
町内のお客様が多いけど、ギフトで送っていただいた先や口コミでのお客様等もいてお客様が増えてきましたね!
●では、今後お店を拡大する可能性も?
今年の夏過ぎくらいを目途にネット販売も考えているんです。一人で作っているので、様子を見ながら少しずつ。
それが上手くいって佐用町以外のお客様がさらに増えていけば考えていこうかなと思っていますが、今のところお店を拡げる予定は無いですね。



●ドイツではどのような修行をされたんですか?
ドイツには、語学学校に5ヶ月間と修業をしながら職業訓練学校に3年間と食肉マイスターの資格を取る学校に4ヶ月間の計3年9ヶ月間いました。修業中はマイスターのいる工房でお給料をもらいながら勉強でき、マイスターの学校では食肉のことだけでなく経営に必要な知識も勉強できるので、資格取得後は直ぐにお店を出来る知識がつけられるんです!
日本でお店をするためには日本の食品衛生管理者の資格を取らないといけないので、帰国後は講習に行きました。



 


●今後、挑戦したいことや目標はありますか?
目標はある程度軌道にのせること。たくさんの方に食べてもらいたいので、利益は多くなくても価格を抑えて提供していきたい。
少し脚をわるくしたことをきっかけにサイクリングなども始めたので、仕事に限らず歳をとっても生き生きと暮らしていけるように、自分のやりたいこと一生懸命にできることを大事にしていきたいですね。



●お休みの日はどう過ごされていますか?
お買い物やお家のメンテナンスが多いですね。
お客様からのアドバイスを参考にお店の看板を手作りして道から分かりやすいような工夫もしています。
街並みを崩したくないので、周辺の環境になじむように形や場所を考えて作っています。



●田舎暮らしを考えている方へのアドバイスはありますか?
物件を購入した時に自治会長さんを紹介してもらえるのでその時にいろいろと聞いておくと、地域に入りやすいと思います。
●最後に佐用町のおすすめスポットを教えてください!
佐用町櫛田にある『飛龍の滝』はオススメです。佐用随一の規模を持つ滝で、神秘的なところです。
後は、安倍晴明と芦屋道満の最終決戦の地と伝えられる佐用町大木谷にある『晴明塚』と『道満塚』もおすすめですよ。



今回のレポートは、平成28年に弊社で物件をご紹介させていただいた原田様ご夫婦のところへお伺いさせていただきました♪
ハム・ソーセージの本場ドイツで修業され、食肉マイスターの資格も取得されている原田様は、『本場の味を知ってほしい』『ドイツの食肉文化を伝えたい』という気持ちで手作りハム工房を経営されています。
より多くの方に食べていただきたいとのことで、お手頃な価格での提供を心掛けていらっしゃいます。本格的な味のハム・ソーセージはとてもおいしく、日本ではあまり見かけないような種類もあり何度も通いたくなってしまうようなお店です☆
定年後もいきいきと暮らしていくことを目標とされていたそうで、ご自身のやりたいことを一生懸命されている姿は本当にいきいき・キラキラとしていらっしゃいました。ロードバイクでのサイクリングに挑戦されるなど、ハム工房のお仕事以外でもパワフルに生活されており、佐用町での生活を楽しまれているようです♪
今後は店頭販売のみではなくネット販売も考えられているとのことで今後の展開がますます楽しみです!原田様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました!

*お店情報*
『デア・シュタインボック』さん
住所:兵庫県佐用郡佐用町佐用963番1
TEL:0790-65-9741
営業時間:10:00~18:00
定休日:日曜日・月曜日

取材日*2018.5.28