『田舎では子供が思いついたようなことがすぐ出来る。いろんな事に好奇心が湧いてくる。』と、まるで少年のようにこれからの楽しみに目を輝かせる山本様。現在は単身、愛知県から月の半分をこちらで過ごされています。どのような生活を過ごされているのかお話を伺って来ました。


和気町は、岡山県の南東部に位置する人口約15,000人の町です。温暖な気候と豊かな自然に囲まれ、地理的特徴から台風・地震などの災害が少なく、とても住みやすい環境です。種類の多さでは日本一を誇る美しい藤公園や、鵜飼谷温泉、和文字焼き祭りなど観光名所やイベントがあり、岡山県内や近畿地方を中心に観光客を集めています。


●田舎暮らしをしようと思った考えたきっかけを教えてください。
「きっかけは特になくて、漠然とこういう所に住みたいと思ってたんだよ。今、愛知県で住んでいる所も田舎だけど、もっと静かで田んぼがあって、山があって、読書が出来て、ゆっくり考え事も出来て…。とにかく静かな所に暮らしたくてね。」
●どれくらいの期間をかけて物件を探されましたか?
「インターネットで半年くらいかな。地元愛知県の物件資料を取り寄せたりもしたけど、良いと思うものが無くてね。調べているうちに相場とかが分かるようにまで詳しくなったよ(笑)」


●気に入ってもらえたポイントはどこですか?
「1番は立地!生活圏だった事。あと、推定だけど築100年の古くてしっかりしている家だね。」
●リフォームにこだわったポイントは?
「畳だった所をほとんど床にしたんだよ。イメージはテレビドラマで明治初期の頃の打ち合わせしているような感じかな。完全和風建築の中に、和室だけど床で、洋風のテーブルが置いてある感じ。漆喰にもしたくてね。それと、東京の先輩が遊びに来た時に、『ここをスタジオにしよう!』って提案から蔵を改装して造ったスタジオかな。防音もバッチリだし、いい雰囲気の贅沢なスタジオが出来たよ。」


●実際住んでみてどうですか?良かった事、困った事など。
「困った事はないなあ。まだ家内が来てないから、何でも1人でしなきゃいけないってのは大変だけど、ここに住んでるからと言って困ってる事はないかな。あえて言うなら外食出来るお店が少ない事。近所の喫茶店のランチがお気に入りで通っているんだけど、そこが交流の場みたいになっていて、音楽の仲間やいろんな知り合いがたくさん出来たよ。こっちへ来て時間もあるし、やる機会も多くなったから演奏も上達したよ。なんだかんだであっという間に1日が終わって、とても贅沢な時間の使い方が出来てるなーと思うね。」


●ご近所、村のお付き合いはどうですか?
「地域や村のお付き合いは大変だと言うけれど、人里離れた場所よりも人と関わる方が楽しいから、僕は生活圏での家を探してたんだ。住んでみて分かったけど、草刈りや溝掃除などの行事は『義務』ではなくて、みんなとのコミュニケーションと言うか『遊び』みたいな感じだね。そういう風に考えると暮らしやすいよ。近所の方には親切にしてもらっててね、BBQに誘ってもらったり、玄関先にお裾分けが置いてあったりするんだけど、誰が置いてってくれたのか分からないからお礼の言いようがない時もあって…。お裾分けをたくさん頂くけど、今はお返し出来る物がなくて困っているから、これから徐々にお返しして行きたいなあ。」


●和気町の良いところ、おすすめスポット。
「大きな山に大きな川があって、見える景色が綺麗で、まるで日本昔ばなしみたいだね(笑)すごく田舎!と言うわけでもなく、大きなスーパーやホームセンターも近くにあって、田舎とまちの中間みたいな環境でとても暮らしやすい。和気町で田舎暮らしおすすめだね!おすすめスポットは廃線になった片上鉄道が今はサイクリングロード(調べたところ、総延長34kmの『片上ロマン街道』と言うそうです)になってるみたいで、急勾配もないし、走りやすそう!あと、鵜飼谷温泉や車で30分くらい走ると美作の湯郷温泉に行けるよ。気軽にぷらっと温泉が楽しめるのはいいね。」


●これから挑戦してみたいこと、どうされて行く予定ですか?
「家内も早くこっちへ来たがってて、2人になったら庭とか畑も綺麗にして行きたいな。スタジオでジャズセッションを楽しんだり、みんながコミュニケーションの場として使ってくれるようになったらいいなと思ってるよ。近くにカヌーが出来る場所があるみたいだから、カヌーもやってみたいね。ここへ来るといろんな事に好奇心が湧いて来て、あれもしたい!これもしたい!って浮かんで来るんだよ。」


●最後に、田舎暮らしを考えている方にアドバイスをお願いします。
「家に関してもそうだけど、完璧主義よりも8割主義くらいで考えている方が良いと思うよ。だから、やっぱり神経質な人には田舎は向かないだろうね。ただ人間は順応するから、住んでみたら変わるんじゃないかな。田舎暮らしはのんびりぼーっとしてられるかと言ったらそうでもなくて、田舎へ来ると毎日忙しいね。田舎では子供が思いついたようなことがすぐ出来て、いろんな事に好奇心が湧いてくるんだよね。田舎でこれがしたい!って言うのがなくても、田舎に来るととてもアクティブになれるから自分が楽しめることを見つけられると思うよ。1つ言えることは田舎は僕みたいに料理も大工仕事も出来ないような人間が暮らせてるってことだね(笑)あと、高齢者しかいないという前提があるから行政がしっかりしているし、高齢者は都会より田舎の方が住みやすいかも。」


 


今回お邪魔させて頂いたお家は、推定築100年!おそらく江戸時代の木材も使用されたしっかりとした造りの古民家でした。木の良い香りが漂い、落ち着いた色合いのほっと安らげる空間にリフォームされていました(*^^*)
山本様のお好きなジャズの音楽が流れ、ゆったりとした雰囲気の中でお話をお伺いさせて頂きました。
「都会で遊ぶと言うのは例えると『完成されたおもちゃ』で遊ぶ感じ。田舎で遊ぶのは『おもちゃ自体を自分で作る』感じ。」と、都会での単身赴任も長く、都会で自由に暮らすとどうなるか、都会の良さも悪さも知り尽くして田舎に来られた山本様だからこその田舎暮らしについての考えを聞かせて頂き、なるほど!と納得の連続でした。
確かに都会では遊ぶものが用意されている状態で便利かも知れませんが、飽きて来ますよね。その点、田舎では遊ぶものがない分、自分で考えて作るから自分次第で遊びの幅は無限大ですね!
「こないだは縁側で布団を敷いて寝てみたんだよ。蛙の声が聞こえて、草のにおいがして、まるで外で寝ているみたいだったよ(笑)朝は寒くて目が覚めたんだけど、すごく心地よかった。」と、古民家での暮らしを満喫されているようでした。
永住に向けて、まだまだこれから楽しみがいっぱいですね(^ω^*)♪

取材日*2013.7.12