昔から動物の仕事をしたいとずっと考えられていた藤岡様ご夫妻。老犬ホームを開業するにあたり、自然が豊富な田舎の物件を探されたそうです。現在は、兵庫県たつの市新宮町で『大自然に囲まれ、ワンちゃんが心地よく生活のできるアットホームな老犬ホーム&ペットホテル JiJi(ヂヂ)』 を経営されています。


たつの市は、南北に流れる自然と歴史が豊かな清流揖保川とともに発展してきました。揖保川を軸に、北部の山々の豊かな緑、瀬戸内海国立公園にも属する遠浅海岸・新舞子浜、梅林などの自然資源や、龍野城と城下町に連なる古い町並みなどの歴史的資源も豊富に有しています。
地場産業は、風土が生み出した手延素麺や醤油醸造、皮革産業、かばん産業などがあります。


●田舎暮らしをしようと思ったきっかけを教えてください。
老犬ホームをする。ということで物件を探し始めました。
やっぱり田舎じゃないとワンちゃんのことで迷惑がかかるし、自然が豊富な方がいいということで、田舎の方で探そうと思ったんです。
当時兵庫県の伊丹市に住んでいたので、篠山の方とか。妻の実家が宍粟市山崎町にあるので、山崎町や波賀町でも探していました。探している中で、スローライフさんに他のエリアの物件もいろいろ紹介してもらったんです。


●物件を気に入ってもらえたポイントはどこですか?
ここは広さもすごくあって、近隣の環境もよさそうで。あと、倉庫がある事と、自宅も付いていたところ。ここだと隣に家がないですし。
自然が豊かな山あいにあり、かといって中国道やJRの最寄り駅、市街地からも遠すぎない立地も良くて。で、ここに決めたんです。


●オープンまでどのぐらいの時間をかけられたんですか?
購入してから引っ越しまでに1年ぐらいあったんですけど、ちょこちょこ仕事の合間に3日とか泊まり込みで来て作っていて。引っ越してからも、オープンまでに約1年ぐらいはかかったので、1年半~2年ぐらいかけて作り上げた感じですね。


●ヤギのゆきちゃんの小屋や、ウッドデッキも藤岡様の自作なんですよね!
業者の方にお願いしたのは、キッチン・お風呂・壁紙を変えてもらったのと、犬舎に使うお部屋をちょっとだけ解体してもらって(元は続き間の和室でした)。あと、ワンちゃんのケージを入れるしっかりした棚を作ってもらいました。
それ以外は、自分で壁をはったり床をはったりとか。
もともと作るのが好きだったし、田舎でのんびりとしながら楽しんで作業してました。


 


●移住するにあたって不安なことはありましたか?
村の方と上手にとけこめるかな。とか、行事とかやったことなかったので、その辺がやっぱり不安でしたね。
でも妻の実家が山崎町にあったので、なにかあったら助けてもらえるかなって。田舎の暮らしについて、いろいろ教えてもらってたので。
あとは、やっぱりワンちゃんが増えたときに近所から苦情がはいらないかな。とかは心配でした。ほっておくとワンちゃん達は群れて吠えることもあるので、注意して観察してます。


●実際に住んでみていかがですか?
環境、いいですね!引っ越してきてよかった!と思いますね。
村の方が、みなさん良い方なので。それにやっぱり良かったとこが、隣近所が離れていることですね。犬の仕事のことも初めは言いにくかったんですけど、それでも受け入れてもらえて良かったです。

 


●ご近所の方や、地域のお付き合いなんかはどうですか?
夏祭りとか秋祭り、とんど。あと草刈はクリーン大作戦といって、川沿いの溝掃除とか土手の缶やゴミを拾ったりとか。総会もありますし。委員になったら、祭りの準備とかもありますけど。
ここは少し新しい住宅地もあるので、他よりは少ないんじゃないかと思いますね。


●農地は利用されてますか?
ここには、壁面をブロックとセメントで固めた農地があったので、前に一度レンコンを作ってみたんです。有機栽培みたいな感じで肥料とか無農薬でしたいっていうのがあって、水を入れて毎日管理してってやったんですけどね。収穫は出来たんですけど、ちょっと上手くいかなかったです。ワンちゃんの方も忙しくなっていったので…なかなか難しかったですね(笑)。
今はね、別の農地にジャガイモと玉ねぎを植えてます。


 


●老犬ホームをはじめようと思ったきっかけは?
昔からほんとに動物が好きで、実家でも犬と猫を、一人暮らしをしていた時も猫を飼っていました。前の仕事をしていた時には、夫婦で地域猫のボランティア活動とか、知り合いのワンちゃんの赤ちゃん犬のしつけとかをしていて、動物に関わる何かをしたい!とずっと思ってたんです。
うちの犬が7歳ぐらいになった頃に、毎日夜中までかかる程仕事が忙しくなったんです。そしたら寂しさとか年齢的なことで体調を崩すことが続いて。やっぱり高齢になったらワンちゃんも弱っちゃうんやな。自分達みたいな思いをしているワンちゃんや飼主さんが他にもいるんじゃないかな。って思い、老犬ホームをしたいって思ったんです。


●「JiJi(ヂヂ)」の由来について教えてください。
イメージは「魔女の宅急便の黒猫のジジ」。うちの犬はシュナウザーなんですが、シュナウザーってデザインに使われることが多いんです。その中でも黒いシルエットのデザインと黒猫のイメージが重なって。それと、自分自身「おじじ」って呼ばれてたことがあったので(笑)。
老犬やから、おじいちゃんやから、という意味じゃないのでね。「ジジ」だと紛らわしいと思ったから「ヂヂ」にしたんです(笑)。


●こだわりやモットーがあれば教えてください。
いろんな事情で飼主さんと一緒にいられなくなったワンちゃんが、お家にいるように、お家でいた環境と変わらないような感じで過ごせるようにっていうことを心掛けていて。それがうちのやり方かな~と思います。基本的には、フリースペースで家にいるような感じで過ごしてもらって。何かあった時にはすぐそばに居られるように、自宅の半分を(犬舎に)使って一緒に住んでいるんです。お世話もすぐ出来ますし。家族的な感じでアットホームっていうのがウリというか、お家みたいな感じでワンちゃんに思ってほしいかな。自然も多いのでドッグランの敷地も広々と使って。ゆっくりリラックスできる環境を作ってあげたいと思ってます。
今後、犬の平均寿命が延びて、観察や介護が必要なワンちゃんが増えていく中で、自分たちの気持ちを大切にして頑張っていきたいです。


●これから挑戦してみたい事、目標があれば教えてください。
いずれは、トリミングとかサロンとか、ワンちゃんも一緒に楽しめるカフェとかもしたいですし、ワンちゃんのサークルやオフ会等に場所を提供していけたらと考えていて。
これからもそういった動物に関わる事をしていきたいと思ってます。

 


今回のレポートは、 平成26年に弊社で物件をご紹介させていただいた藤岡様のところへお伺いさせていただきました♪自宅兼老犬ホームのリフォームをはじめ、ウッドデッキやヤギ小屋などを手作りされたり、レンコン栽培にも挑戦されたり、田舎での日々を楽しんで過ごされている藤岡様。こちらに引っ越してから始まったお付合いもたくさんあり、いろいろな人に助けられていると言われていました。お仕事の内容についてたくさん伺った中で印象的だったのは、弊社スタッフの、「今後、施設を増やす予定は?」という質問に「老犬ホームでは、亡くなってしまうワンちゃんも多ので、ちゃんとしっかり見てあげたい。相談や面会に来られる飼主様との窓口としての対応も(人に任せるのではなく)自分でやっていきたい。」と言われていたことです。実際に犬舎を見せていただきましたが、元気な子、寛いでいる子、大きな子、見知らぬ私達に興奮している子、介護が必要な子、外で飼われていたので外に居るのが好きな子、いろいろなワンちゃんが、それぞれ快適に過ごせるように居場所が分けられていたり、それぞれに合わせたお世話をされていました。取材の数日後には、現在1階にある自宅スペースのLDKを2階に移すリフォーム工事が始まり、1階をほぼ全面、犬舎として使われる予定だそうです。また、ご自身では、夏に向けてドッグランにスプリンクラーを設置していく為の実験をされているそうです(^-^)。4月から若いスタッフさんを1名むかえ、ますますワンちゃん達が快適に過ごせるホームになりますね♪ お忙しい中、優しく穏やかな笑顔でインタビューに応えてくださった藤岡様、ありがとうございました。

老犬ホーム・ペットホテル JiJi(ヂヂ)
住所:〒679-4314 兵庫県たつの市新宮町曽我井850
TEL: 080-9472-1244(藤岡)


取材日*2018.4.17