姫路市にお住まいだった衣本様ご夫婦。ご主人様の退職後は自然体で暮らしたいと田舎物件を探していたところ、運命的な出会いがあり、上郡町の物件をご購入頂きました。ご夫婦2人で改装し、現在は完全無農薬の野菜やハーブにこだわり、『地産地消』をモットーとしたレストランを経営されています。
兵庫県の最西端に位置する上郡町。町の北東部には、隣接するたつの市や佐用町と一体となって形成される播磨科学公園都市が広がっています。県下有数の名水百選千種川に鮎を求めて多くの釣り人が訪れ、県天然記念物のビャクシン、農業の神様として信仰を集める高嶺神社、牡丹寺として名高い万勝院などの文化遺産も数多くございます。また、女子テニスプレーヤーの浅越しのぶさんの出身地としても知られています。
●田舎暮らしをしようと思った考えたきっかけを教えてください。
「主人が仕事を退職した後は自然体でのんびり暮らしたいと思っていたんです。」
●元々お店をする予定だったんですか?
「田舎でのほほんとしすぎているとボケてしまいそうだと思ったから、そうならないためには人と接したり、少しは疲れやストレスを感じたりする何かをしたいと思っていたんです。」
●どれくらいの期間をかけて物件を探されましたか?
「たまたまスローライフさんの事務所に行ったら、ちょうどこの物件がホームページに掲載されたばかりで、私達が求めている条件に合っている物件をおすすめしてもらった内の1軒がここだったので、全然時間をかけてないんです。」
●物件を気に入ってもらえたポイントはどこですか?
「この家の前の道は、主人と岡山へ出掛けていた時によく通っていたので、すごく馴染みがあったんです。この家の北隣に梅の木が生えている空き地があるんですけど、その時は冗談半分で『ここが売り地に出たらいいね、住みたいね』って話していたんですよ。だからまさかこの場所が出るとは思わなくて!その空き地の事もあったし、敷地も広くて物件自体もすごく気に入ったので、これは運命だ!と思ってすぐに決めました。」
●リフォームはご夫婦でされたそうですが、期間やこだわったポイント、大変だった所を教えてください。
「私がすごくせっかちな性格なので、この家を買う前に先にお店のオープン日を決めてしまったんです(笑)だからその日に合わせて作業してたので、リフォームは思っていたより早く終わりました。期間はだいたい半年~10ヶ月くらいですかね。こだわったポイントは『手作り』と言う所。さすがに自分達では出来ない電気、クロス、水道は業者さんにしてもらったんですけど、それ以外は全部自分達で手作りなんです。大変だった所は私の場合は外まわりかな。花壇でも自分で石を積んで作ったりして、今までこういう作業をした事がなかったので大変でした。」
●移住するにあたって不安はありませんでしたか?
「不安は全くなかったですね。楽しみでしかたなかったです。」
●実際住んでみてどうですか?良かった事、困った事など。
「この家は山の続きになっているので、自然がすぐそばにあるって言うのがすごく良いですね。いろんな種類の野鳥が飛んで来て、季節によっては渡り鳥も飛んで来るのにはびっくりしました!昔は野鳥とかを見るためにわざわざ山に入ったりしてたので、ラッキー!って感じです。あとは完全無農薬にこだわった野菜、香りの良いハーブが食べれて、それが1番よかった事かなあと思います。困った事は湿気と寒い事。姫路にいる時はカビなんてほどんど見た事がなかったからもうびっくり!ここは緩やかな谷の傾斜地なので、上の方で降った雨が地面から床下へ吹き上がって来るんです。大きな深い溝があれば水がハケるんですけど、村に水路がないから水が溜まって噴出してくるんです。まあそのお蔭で夏場の畑や庭まわりの水やりはしなくても大丈夫だから楽なんですけどね。」
●ご近所、村のお付き合いはどうですか?
「あちらから話しかけてくれたり、近所の方は皆さんいい人ばかりで順調なお付き合いをさせてもらってます。」
●畑作業はされた事があったんですか?何を栽培されていますか?
「初めてです。完全無農薬の野菜が作りたくて、たくさんの本を借りて来て暗記するくらい何度も読みました。お花も姫路のマンションに住んでいた時はプランターではしていたけど、限界があったからこういう風に本格的な花壇も作ってするのは初めてなんです。今は1番少ない時期なんですが、とうもろこし、じゃがいも、レタス、キャベツ、にんじん、サラダ菜など24種類くらいで、多い時期は35種類くらい育ててます。にんにく、玉ねぎ、わけぎ、ネギなどのユリ科は土壌改良にもすごく良いんですよ。完全無農薬にこだわっているので、毎朝日課の虫取り作業から1日が始まります。」
●お店のこだわり、名前の由来について教えてください。
「お店の由来は主人の転勤で北海道にいた時に、ある焼き物屋さんに出会ったんです。たまたま入ったんですけど作品もすごくいいなと思って、お店の名前もすごく気に入ってたので、先生に名前を使わせてもらえないかと許可をもらって『陶酔房(とうすいぼう)』と言う名前になりました。料理皿やコーヒーカップなどの陶器は、名前を使わせてもらっている北海道の陶酔房大滝窯で作られたものなんです。無農薬で健康に良いものを提供すると言うのがお店のこだわりです。」
●お休みの日はどう過ごされていますか?
「草むしりとか虫の除去とか、庭まわりの作業をしていますね。昔は毎週の休みのたびに山へ出掛けたり、去年までは桜も見に出掛けていたんですけど、今年は行こうと思わなかったですね。だってうちにある桜が1番綺麗だから♪」
●これから挑戦してみたい事、目標があれば教えてください。
「客間を使う機会がほとんどなくて勿体ないので、外国人の方限定で週1回、1組限定で民宿をしようと思っているんです。」
●最後に、田舎暮らしを考えている方にアドバイスをお願いします。
「気楽にする事ですかね。やっぱり絶対どこかでぶつかる所はあると思います。私が看板や派手な宣伝をするのが好きじゃないので、全く宣伝していなかったのにオープンしたら近所の方がたくさん来てくれて、これだったらいけるかな!って思っちゃって、人間ってやっぱり欲が出て来てしまうんですよね。元々は喫茶店だけをしようと思っていたんですが、お客様にリクエストされてランチ始めてみたり、メニューを増やしてみたり。うちだけでなく田舎ではよくあると思うんですが、そのお店が良くても悪くても1度はあっても2度はないんですね。だから、スーッとお客様が減っていった時はすごくショックが大きくて、余ったものを処分するのも苦しかったし、気が付いたら手が回らなかった庭は草まみれだったし、これはダメだと思って予約制に変えて、初心に帰って、私がしたかったのは気軽にのんびり出来るこのスタイルだって思ったらすごく気が楽になったんです。」
今回のレポートは、スローライフブログでもお馴染み!上郡町の『陶酔房』さんへ行って参りました(・∀・)ノ
衣本様宅にお伺いして、まず驚いたのは敷地の広さです。なんと約1,000坪もあり、その敷地内には目を惹く美しい枝垂れ桜やチューリップなどが色鮮やかに咲いていました♪奥様が特に力を入れられているハーブ畑にも1つ1つにハーブ名が書かれた札が置いてあり、ハーブに詳しくない方にもとても分かりやすい素敵なお庭(*^^*)
ニワトリも飼われており、ニワトリ達も今の時期だと、ふきの葉やアビルなどのハーブを乾燥させてエサに混ぜてあげたり、生で食べさせたりしているので臭いがないとの事で、実際鶏舎に入っても全く臭いがなくてビックリしました!
陶酔房さんのランチは夏季限定の冷製パスタを含めて4種類あり、私は鳥肉のハーブステーキコースを頂きました。
まずはスープとオードブルです。自家栽培のかぼちゃを使用したポタージュスープは調味料を一切使用していないのでサラサラとした感じではなくドロドロとしていて、野菜そのままの甘さを感じられます♪
オードブルは完全無農薬の野菜、ハーブをふんだんに使われており、季節や日によって変わるそうですが今回は24種類を使用しているとのことで見た目だけで健康に良さそうだと分かる一品(//∀//)一緒に添えられている生ハムも手作りだそうで、ゆで卵は衣本様宅で飼われているニワトリの地玉子です。
デザートは卵黄のみを使用した濃厚プリン。卵の風味とカラメルのほろ苦さがちょうど良くて何個でも食べられる感じでした♪プリンに使用している卵は卵黄がたくさん必要で、今飼っているニワトリでは卵が足りないので近くの鶏舎で育てられた卵を使用しているそうです。
コーヒーはまろやかさを活かすためにコーヒーカップやスプーンなど全て陶器を使用し、コーヒー豆を通常よりも多く使ってコクととろみがあるコーヒーになっています。
山や花を見てゆっくり、のんびり食べてもらいたいと言う気持ちが強いので派手な宣伝や看板は出したくないと言うのが衣本様の主義なので、来られるお客様はインターネットやクチコミでお店を知られるお客様がほとんどだそうです。クチコミが広がり、兵庫県内はもちろんの事、大阪や岡山、千葉などの遠方からもお客様が来られるそうですよ(^ω^)
四季によって変化する山々やお庭を眺めながら、のんびり優雅なランチタイムを過ごしませんか♪
ランチは1日15食限定、前日までの完全予約制となっておりますので、ご来店の際はご注意くださいませ。衣本様、貴重なお時間を頂き、ありがとうございました!!
レストラン『陶酔房(とうすいぼう)』さん(←クリックするとHPへ飛びます♪)
兵庫県赤穂郡上郡町八保甲569-21
営業時間:11:30~15:00 定休日:毎週火・水・木
TEL:0791-56-6191(※完全予約制・前日までに要予約)
取材日*2014.4.9