姫路市にお住まいだった久宝様。本格的に農業をやりたいと思っておられた時に、上郡町の広大な農地付き物件と出会われました。現在は、周辺を山々と田畑に囲まれたのどかな上郡町に住まわれて、毎日さまざまな種類の農作物と向き合い、汗を流されています。


赤穂郡上郡町は兵庫県の南西部に位置し、町域の大半が山地・丘陵地で占められている緑と自然豊かな町です。町の中央部を清流・千種川が流れており、町全体が「水の郷」に指定されています。モロヘイヤを使った「円心モロうどん」をはじめ、ブドウ・なす・メロンなど美味しい特産品が沢山あります。


●姫路から上郡に移住しようと思ったきっかけを教えてください。
元々、僕は姫路駅の近くに住んでいました。兵庫県南西部では、比較的『街』ですね。「これから何をして生きていこうかな?」と考えた時に、興味があった食品関係の分野から「農業はどうかな」って思うようになって。両親がもう60代なので、姫路からあまり遠くに離れてしまうのはダメだなぁと思ったのもあって、上郡に決めました。


●どれくらいの期間をかけて物件を探されましたか?
あまり長くはないですね。たしか、半年くらいやったと思います。
●物件を気に入ってもらえたポイントはどこですか?
「本格的に農業ができる」というのを大前提として物件を探していました。自分の性格的に、どこかで畑を借りてやっちゃうと途中で投げ出してしまうかもしれないな…と思って。なので本格就農するのにぴったりな農地がついた物件、というところで今の物件に決めました。やはりこの100年以上経っている建物ですね。造りと庭の感じもすごくよかったので気に入りました。」


●お家そのものはどこか手直しされましたか?
ちゃんと手を入れたのはお風呂場くらいですかね。あとは、台所と洗濯場のあたりをちょこっと直した程度です。


●上郡に移住するにあたって、何か不安などはありましたか?
うーん…上郡を選んだものの、友人や知り合いが誰も居なかったのでそこは少し不安でした。でも、スーパーや薬局なんかは近くにあって『めちゃくちゃ田舎』ってわけじゃないし、駅からも比較的近いので人を呼ぶ時もそう困りません。なので「不便になるかも」っていう不安はなかったですね。


 


●では、移住直後も特に困ることはなかったんですか?
ありましたよ~!鹿の鳴き声です(笑)。初めて聞いた時は「誰かの悲鳴!?」って勘違いするほど、すごくって。最初の1週間くらいは、鳴き声が気になってしまってなかなか寝付けませんでした。


●他にも困った野生動物っていますか?
猪ですね。最初は畑の周りに網を張ってたんですけど、2ヶ月くらいで簡単に破られてしまって。 それで仕方なく、電柵を設置しました。ドアノブを触った時にパチッと来る静電気程度の電流しか流れないんですけど、今のところ畑を荒らされずにすんでいます。


 


●ご近所の方や、地域のお付き合いなんかはどうですか?
「やっぱり、姫路に住んでいる時と比べたら付き合いは濃いですね。近所の溝掃除とかも、村の住民総出でやりますし。僕自身も野菜を育てているのに「沢山できたからあげるわ~」って、大玉の白菜を3つももらったりとか(笑)。あとは、うちにはテレビがないんです。以前、テレビの取材を受けたんですけどお隣さんが「うちで見る?」って声をかけてくださって。「放送が昼やし、ごはん一緒に食べながら見よか」とまで言っていただいて、僕の両親と同じくらいの年齢の、お隣のご夫婦と食事させてもらいました。こういうのは、姫路にいた時では考えられない事ですね。すごくありがたかったです。


●今は何を栽培されていますか?
今はベビーリーフや西洋カボチャ、キュウリなんかを植えています。去年は30~40種類くらい植えてたんですけど、今年は少し種類を減らしました。自分に合っている野菜・合っていない野菜もありますし、売れる野菜・売れない野菜もありますし…最終的には20種類くらいで落ち着くかな、って思ってます。
●作った野菜はどうなさっているんですか?
直売所に出さしてもらう事が多いです。ベビーリーフに関しては、知り合いの農家さんと一緒にやらせてもらって、数十店舗のレストランに納品させてもらっています。


●これから挑戦してみたい事、目標があれば教えてください。
「栽培に関してだと、やってみたいことは色々あります。今、育ててみたいと考えているのはホオズキですね。ホオズキにも食べられるものがあるんです。今、試しに家の裏に3苗ほど植えて様子を見てます。
●田舎暮らしをしてみたいと考えられている方に、何かアドバイスはありますか?
僕としては、よく「田舎暮らしは自由で、人に干渉されることもなくて羨ましい」って言われたりするんですけど、実際はそうじゃないと思います。田舎の方ほど、地域の付き合いは濃いところが多いです。『そういう付き合いは面倒くさい』という方は、田舎暮らしは難しいかもしれませんね。自分が何をしたいのか、どういう生活を送りたいのかを明確にしたうえで、住む場所や物件を選ぶことが大切だと思います。


今回のレポートは、 平成25年に弊社で物件をご紹介させていただいた久宝様のところへお伺いさせていただきました♪
まだ30代半ばとお若く、姫路駅近くという生活至便な場所にお住まいの久宝様が何故上郡への移住を決められたのか最初は不思議だったのですが、実際にお会いしてお話をさせていただいて、農業への情熱を強く感じました(´ω`*)
去年は茄子を育てるのに失敗してしまったそうなのですが、今年は良い出来でとっても嬉しかったそうです♪畑を見学させていただいて、思わず「ここまで本格的に農業をなさっていると、お休みの日ってほぼないですよね?しんどいなぁって思う日はないんですか?」と聞いてみたら、爽やかな笑顔で「毎日しんどいって思いますよ(笑)」「でも、全部自分で決めて、全部自分の好きなようにできるので。しんどいけど、楽しいです」とおっしゃっていました。
ちなみに、上の方で紹介させていただいた黄色いお花の正体は…オクラの花です!
久宝様は無農薬でお野菜を育てていらっしゃるので、畑に植えられている葉物野菜などはその場でちぎって味見をすることができます。久宝様に「食べてみますか?」と言っていただいたので、人生初!オクラの花を食べたんですが…軽く粘り気があって、味はオクラそのものでびっくりしました。
久宝様は先月入籍なさったそうで、今後は奥様も畑仕事を手伝われる予定だそうです♪久宝様、インタビューをさせていただいてありがとうございました!

取材日*2015.8.19